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執筆者の写真芦野直之

最上川芸術祭


山形県村山市に最上川美術館というものがある。

元は真下慶治記念館で彼の作品だけを展示していたらしいが、市が管理することになっえから最上川美術館と併記され、いろんな企画がなされることになったようだ。

しかしながら私、行ったことがなかった。


今回、アーティストもりわじん氏の働き掛けで、最上川をフューチャーした芸術祭が開催されることになり11月8日から始まった。

当初、猫をディスプレイするための木舟をオーダーいただき、最上川で川漁に使われているような舟をイメージして製作した。

見積りと図面を作りOKのもと製作開始したわけだが、実物したら腑に落ちなかったようで修正を依頼される。

内容的に新たに製作したほうが楽だったので二号挺に着手することに。

まぁ平面図だけではなかなかイメージしにくいものだから上手くいかないこともあるわけだが、、、

オーダー製作の難しさではあるが、お客様に納得いかないものを納めるわけにもいかないので、追加料金無しでの製作である。


二号挺は拡大サイズで猪牙舟と言われるような形に。

最上川の川舟とはちょっとかけ離れてしまったようだが、満足いただいたので善しとする。


ちなみに帰って来た一号挺は自分の個展に向け展示台に生まれ変わった。

これは瓢箪から駒ってやつだな!

なかなか面白いかも。




さて、そんな感じで関わりだした芸術祭だが、美術館の話を聞いていくうちに、漕ぎ出した舟が淀みにはまって腐り掛けてるようなイメージが湧いてきたので出展の打診を受け入れ自分も創作活動を始めてみた。

舟の横板のような形の腐った材料があるのを思い出し、イメージが膨らんだからだ。

それに古材を組み合わせ、本当に腐りかけた舟ができてしまった。


ただこれだけでは腐って無くなるふねでしかない。

腐って無くなるモノでも次に繋がる役目を持っているのではないかと考え、沈み行く舟で生き永らえる魚を入れることに。

この魚たちのなかにも栄枯盛衰があり、華やかな魚から生き絶えていく。

そんなメッセージを込めてみた。



これが美術館のテラスに飾られてるわけだが、正に最上川から打ち上げらた舟に見えるのだ。

初めて訪れた美術館のロケーションに見事にマッチしたことに驚いてしまった。

お客さんにも好評と聞き嬉しい限りである。




最上川芸術祭は12月10日まで開催されているので、よろしければご覧いただきたく思います。

その他、画家、写真家、陶芸家などなど様々なジャンルの作家たちが展示されてるので楽しい展示会です。

美術館そのものも素敵な建物で、そこから見る最上川も美しい風景です。

この場所が淀みなく流れ続けることを祈ります。


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